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令和7年1月8日〜1月14日 寒中托鉢修行

  • 弘遠
  • 1月15日
  • 読了時間: 3分

京都の冬の風物詩と謳われます聖護院の寒中托鉢修行。

全盛期の頃に比べると、数年前のコロナ禍の影響や最近の異常な物価高、慢性的な不景気の影響もあり、托鉢修行に廻らせていただく御信徒様の御宅の数も年々減少して現在は半分程に減ってしまったとのこと。

非常に悲しい事であり寂しくもありますが、これも時代の流れというものなのでしょうか。


例年通り1月8日〜1月14日の7日間に渡り執り行われ、当講より3名出仕させていただきました。


1月8日の開白式に於いては平日であるにもかかわらず40名にわたる行者が集い、日本各地の本山修験宗の寺院の先生方が御導士として本山に集結されて錚々たる面々が本堂前に整列する中、宮城泰年御門主様の開白の挨拶を賜り一同、心を一つにして寒中托鉢修行が始まりました。各局のテレビ局のカメラ等も入っており流石は京都の冬の風物詩と言われるだけのことはあります。


私自身今回初参加でどのような行をさせていただくのか全く解っていなかったのですが、諸先達方の御指導を賜りなんとか法螺師として日々全力で行にあたり、最後まで無様な姿を見せることなく満行することが出来たと思います。


京都という街はやはり歴史もあり、古き良き時代の日本がしっかりと現存している地域であります。

毎年、比叡山の千日回峰行者が京都切り廻りで100キロにわたり街々を闊歩しながら人々をお加持して廻られるように、庶民と行者との距離が非常に近い土地柄です。なので、御信徒の皆さんも行者をよく見ておられますので諸先達にはかなり細かな所まで注意を受けました。

毎日、30巻〜50巻の般若心経をお唱えさせていただきましたが、声を張るのはもちろんの事、お経が途切れることがないように常に経頭を意識して息継ぎをずらして行うようになど、他にも細かな御指導を賜り日々日々ひたすら勉強させていただきました。


週の半ばには最強寒波の到来の予報もある極寒の中、玄関の軒先にダンボールを敷きお父さんお母さん、おばあちゃんから小さな子ども達まで皆で土下座をして手を合わせながら行者の到着を待ってくださっている姿を見たときは涙が溢れ出ました。腰の曲がったお年寄りの御信徒さんなども、我々が読経をしている間ご自分の腰の高さよりも低く手を合わせながら頭を下げておられました。

なんと純粋な信仰心とはこのように人の心を打つものなんだろう。

極寒での行ではありましたが自分の心はとてもポカポカとして温かくとても満たされた気分で感謝の行でありました。

逆に純粋無垢な信徒様を前にして自分自身を俯瞰してみるととても恥ずかしく、偉そうに読経をさせていただいて良いのだろうかと、、、

本当に人々の幸福を祈願させて頂くだけの人間になるように、己をもっと磨き上げていかねばと深く考えさせられました。

基本は浄財を頂戴したがら托鉢に廻る訳ですが、利他行としてひたすら人々の家運隆昌、商売繁盛、息災延命、决定成就、决定円満を願いお祈りさせて頂くうちに、薄皮をめくる様に自分のうちの心の棘や心の襞も取れていき丸くなっていく自分に気づくことも出来ました。知らず知らずのうちに利他行が自行になっている。やはり陰と陽、表裏一体、まぁ〜るく繋がっているのですね。

駆け出しの新米行者ではありますが、1つ1つ何かから学びを見つけて血となり肉としていこう。

非常に学び豊かな意義のある1週間を賜りました。

来年もガンバロウ!!


出仕:石川、昭弘(9日)美観(9日)






 
 
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