令和6年9月6日~10日 大峰奥駈修行その2
9月7日(土)
さて山行開始初日の9月7日.。闇夜での金峯神社のお勤めが終わっていよいよ本格的な山道に入って行きます。最初の目標地点は女人結界門がある五番関を目指します。
ここで女性チームと別れて翌日まで別行動となるのですが、喜蔵院を出発してからゆうに7時間かかりました。休憩といっても長くても15分くらい。ほとんど歩きずくめで対列が少し止まった隙を見て水分補給をする感じの過酷なものです。先達や奉行の言うことは絶対ですから勝手な行動など許されず、大きな声で返事をしなくてはいけない軍隊さながらの様相です。
途中、熊の出没などがありアクシデントがありましたが近畿連合の幹事長が大声を出しながら必殺アイテムを投げて退散しました。熊をも恐れぬ幹事長は勇猛果敢でかっこ良かった。
この時期やはり暑さが1番応えました。峯中かなり多めに毎日3リットルの水分を用意して望みましたがペース配分して飲まないと全く足りない状況でヒヤヒヤしました。荷物を軽くしたいので他の行者さんもそこまで余分に持ってないので分けてもらう事も出来ず全て自己責任です。これだけの水分を取ってても修行中に小便が出たことは1度もありませんでした。
大量の汗となって背中や腰回りにまとわりつき不快バロメーターはうなぎ登りでそのうち背中や腰回りに汗疹ができ始めました。まだ五番関にも到着してませんがこの辺りから熱中症で体調不良を訴える人が出始めました。後戻りするわけにもいかずボチボチでも五番関までは行き、そこから車で前鬼の宿泊所まで先に送ってもらい療養するか帰宅するかのチョイスのようです。
五番関では聖護院の執事長がクーラーボックスいっぱいに入った野菜ジュース等をお接待してくださり本当に生き返りました。ありがとうございました🙏
ここで女性陣とは別れて我々は大峯山寺を目指しますが、次のポイントはお馴染みの洞辻󠄀茶屋。
女性斑は下山をして天河辨財天社と栃尾観音堂を参拝して西清旅館に宿泊します。
我々の道程はまだまだ長くせっせと歩いて洞辻茶屋まで3時間かかりました。このときの安堵感といったら!!吉野喜蔵院から10時間歩いてやっと今日のゴールをイメージすることが出来ましたが、、、まだまだこれから。衣体を整えて表行場と裏行場を満行し大峯山寺横での採燈護摩🔥なが〜〜い1日が終わりました。
話は少し脱線しますが宿泊は山上喜蔵院でお世話になります。皆様御存知のように山上喜蔵院といえば代々長い歴史を持つ由緒ある宿泊所です。それは分かっているのですが何十年か振りに奴と出会ってしまったwww
Theポットン便所!自分はガッツリ昭和の人間ですが今ではウォシュレットが無いと生きていけません(汗)
7月に近畿連合の大峯詣で山上喜蔵院に来たときにはトイレに行ってないので知らなくて、、、正直、これまでの山行より心が折れました。いえいえ山上喜蔵院様が悪いのではありません。自分の人間的弱さですwww
負けてはいかん!これも行のうちやと考えてTheポットン便所と向き合うことにしました。それでも奥駈修行期間中に軽い痔になりました。やっぱりウォシュレットを考えた人は天才です!お尻も洗って欲しいのです(^^)
9月8日(日)
2時半起床〜3時朝食〜4時大峯山寺勤行〜出立出立前に夜空を見上げると零れ落ちそうな満面の星空!!ポカンと口を開けて見ていると流れ星が走り抜けて行ったので咄嗟に満行の願いを託しテンションアゲアゲで出立。不思議と大して疲労もなくてありがたかったです。今日のゴールは弥山の頂上。予定では11時間後に到着で途中、有名な当山派修験の要所である小笹の宿を皮切りに大普賢岳〜行者還岳〜弥山。気分的には昨日よりも時間も短いし楽勝やなと思いましたが実は深刻なことがwwwここまでに幾人かの法螺師が体調を崩し離脱してしまい法螺師不足に陥っていました。行である限り何においてもしんどいのは当たり前ですし常に積極姿勢でないといかん!自分自身を鼓舞して、、ヨシ、今日は法螺の三昧の境地に入定してやると決めました。法螺を立てるときは雄大な大自然に音色を共鳴させる気持ちで吹き、吹いてないときはお不動様の真言を念じながら山に意識を集中して歩く。これを本日の自分の行として課すことにしました。そうすると自然と疲れは感じないし持久的に法螺を立てることもできこれは良い行をしていると確信しました。
ここで今回の奥駈修行で知己を得た2人の相棒を紹介したいと思います。
1人目は京都の嵐山で住職を勤める30代の若きイケメン真言密教僧。彼とはすぐに仲良くなりラインの交換もしました。自分の事を「弘さん」と下の名前で読んでくれる粋な若者です。
2人目は三重県いなべ市から行に参加している法螺貝マニアの自由人です。30個以上は自分で法螺を製作して気にいらないと壊しを続けて今の法螺貝に落ち着いたとか。当講の副講元もどきの変人です(いい意味です)この2人との掛け合いも色々とあり綴りたいのですが今回は省きます。
昨日の山行からベースとしては行列の先頭の方で自分が法螺を吹き、中間で自由人が吹き、後方で密教僧が吹くパターンが定着してましたので、必然的に自分から始めるわけです。今日は勝手に三昧の行に入るんだと決めたので後方の密教僧が法螺を吹き終わったら直ぐに法螺を吹き返しました。何回か続けるうちに2人とも何かオカシイと思い出したようです。(内心は吹くのを辞めてくれと思っていたらしいです)笑
それでも2人共奥駈修行という厳しい行を求めてやって来た剛の者。さすがでした!間断置かずに2人共法螺を吹き出しました。いやぁ~〜吹きましたよ。3人とも唇は腫れ上がり口の中は切れて出血してました。あとから聞いた話に拠ると先生方が法螺を吹かなくていいよと進言しようとしてたらしいです。ありがたいことに満行粗宴の席では法螺師に対してお褒めと感謝の言葉を頂戴しました。あくまで行としてやっていたのですが良かったです(^^)
大峯山寺を出立して12時間後に弥山の麓に到着しました。大宿の哲寛先生に拠ると麓から山上まで20代の人で20分。30代で30分と年齢と時間が比例しているとのこと!?う〜〜〜ん
ひたすら急登を小1時間かぁ〜〜と、げんなりしていると相棒2人がやって来て自分の後を着いていくと言ってくれるではありませんか(泣)
ここでカッコつけの自分はヨシ法螺を吹きながら上がろうと、、、何故か、、、ついつい、、、言ってしまい墓穴を掘ってしまった訳です。それでも頑張りましたよ〜。法螺がしんどくなったら山念仏に変えたりして無様な格好を見せないように上がりきりました。
山上では女性斑がアクエリアスのお接待を持って拍手喝采で迎えてくださりました。「法螺部隊すご〜い」などと持て囃されて気持ちよくなった自分は女性斑の方々とグ〜タッチしてましたwww(^^)
いつしか同行の仲間たちから「法螺三銃士」と呼ばれてました(^^)(^^)(^^)
弥山に弁財天女は舞い降りたのでした♫
その3へ続く
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