令和4年6月4日~5日 講峯詣り
6月4日〜5日と一泊二日で大峯山修行の講峯詣りに行って参りました。今回のキーワードは合縁奇縁という言葉がピッタリの講峯詣りでした。参加者は講員が5名に新客さんが3名の計8名。お一人目は5月の採燈護摩供の撮影をして頂き、修験者の山修行の映像を後世に残していかなければならないと志が高く遥か静岡から参加頂いた映像ディレクターのOさん。お二人目は住んでいる所が近く本山講に見学も頂き修験に興味のあるお坊さんの英快さん。3人目は同じ修験仲間であり、我々若手の行者に法螺貝を教えてくださっているいつもにこやかな吉修会の達源さん。車を乗合で大阪から一路洞川の温泉街へ向かいました。昨年はコロナ禍の影響でシーンとしていた街並みにチラホラと行者姿や観光客の人影。車で宿屋さんの前を通ると歓迎の看板にはたくさんの行者講社のお名前があり明らかに昨年とはうってかわった洞川でした。講員一同でいつもお世話になってるにしぎ旅館さんの前で記念撮影後は清浄大橋へ行くと「え?満車??」と驚く程の車の数。いざ意気揚々とお山に入らせて頂く直前にあるご老人から声をかけられる。「うち先達おらんから新客を連れて行場もやったってくれへんか」と頼まれました。そして「山本さん元気にしてるか?わし岩組の元総長や仲良くさせてもらってるねん」と言われれば断れる理由もなく、これも【合縁奇縁】だなと思い新客の方6名と一緒にお山に入らせて頂きました。新米講元としてこのパーティを引っ張っていけるか?の緊張なのか、お山に入らせて頂く前の精進潔斎によるミネラル、ビタミン不足からか歩いている間まず背中が攣りだして次に両足のふくらはぎ、太ももが肉離れを起こしだし、だましだまし気合を入れて歩くも草鞋履き替えを過ぎた頃にはもう一歩も歩けない状態。もうここから歩けないなら谷行(谷へ自ら捨身入定)ぐらいの覚悟をし意気消沈しておった所、同行の行者さんが筋肉鎮痛スプレーを貸して貰ったり、鎮痛剤を頂いたり塩気の飴をくださったり【合縁奇縁】「一人では生きていけずいつも誰かのお世話になって生かされているのだな〜」と痛感するとの同時に同じ病気や怪我や境遇になって初めて人の痛みや辛さが分かる事があります。自分は有り難いことですが今まで大きな病気になることとなくここまで生かして頂いてきましたが改めてお山で色々と教えて頂いたと感じました。その後何とか新客さんには鐘懸岩と西の覗きの表行をさせて頂き痛みがピークの頃には参籠所に到着して1週間ぶりの温かく美味しいお米を頂き涙が溢れ「有り難い。こうして快適に修行させて頂いてるのも昔の方々がここに色々と尽力くださったからこそ我々が利用させて頂いてるこれも【合縁奇縁】だな〜」と思いしっかり力を付けさせて頂きました。
その後山上まで上がりますといつも静寂としている大峯山寺が繁華街?のような賑わいよう。霊山にして多くの行者がいることが当たり前のコロナ禍前の雰囲気に嬉しい気持ちになりました。大峯山寺で護摩を焚いて頂いた後はいつもインスタで綺麗なお写真を発信して頂いてる喜蔵院の納所の方にご挨拶しり、これまた数年前からインスタ繋がりで一緒に修行をさせて頂いてる🐳法友の貴法さんと再会したりと普段は二次元のお付き合いの方々と三次元でお会い出来た方々に【合縁奇縁】と感謝。
洞川まで降りる途中「龍山講」の御一行と面会。以前に龍山講の近くの神社に蔵王権現さんが建立される話を耳にしていたのでそのお話をお伝えすると興味を頂きまた遊びに来てねと誘われこれも【合縁奇縁】無事にケガ人が出ることなく清浄大橋まで下山しお礼を伝えてにしぎ旅館さんに送迎頂く。旅館では温かいお風呂に入れて頂き、精進あげを頂きましたが、まぁみんな白米を食べる食べる。精進潔斎の反動はわかりますが、まぁ皆さん食べ盛りの学生のように食欲旺盛なこと。来年はにしぎさんに打ちこわしして米倉から米俵盗ってきて貰わなあかんのちゃうかな〜(笑)と思ったくらい。その後はいつもお世話になってる西浦清六本舗さんへ。夜遅くお邪魔したのにも関わらずいつも気さくに接待頂きついつい居心地が良く長居してしまいました。それがチャンスかピンチだったのか、講員さんが「この引敷すごーい!あらいぐま全身で尻尾がついててめちゃくちゃ可愛い〜講元の息子さんにピッタリだ〜」とまるで西浦清六本舗さんの営業マンのようなセールストーク。買う買わないでのやり取りに店主さんも助け舟を出してくれたと思いますが、納得のいくお値段を提示頂き購入させて頂きました。愚息も大変喜びましてこれから一層の修行に励んでくれるでしょう。しっぽマリオみたいに修行に励んでBダッシュしたら飛べるようになるかも?(笑)
2日目は早朝から龍泉寺にて滝行をさせて頂きました。前日に法友の開山講の講元も誘ってましたらしっかりと約束を果たし6名程講員を連れてきてくれ、当講社と開山講社の講員全員で滝行をさせて頂きました。当講の鐵砲水さんの🐉龍神法螺🐚立螺で滝場を清浄して頂き、私が以前滝行でお世話になった方から滝行の際の九字を伝授して頂いていたので九字を入れされて頂きました。皆良いお行が出来たと思います。その後は龍泉寺ー天河大弁財天社ー山下蔵王堂ー吉祥草寺と参詣させて頂きました。今回当講社と同行して撮影して頂く方が事前に各寺院にて撮影許可を取って頂いたので各寺院共に快く受け入れてくださり、天河大弁財天社の神主様からは
「こうして活動を動画にされるのは良いことですね」と褒めても頂きました。紙面からネット、ホームページの記事から動画と広告や広報の仕方も変遷しています。良いものはほっておいても売れない時代ですから、今回プロの撮影の方にお願いして、我々が普段当たり前に見ている景色や行動を違う視点から撮って頂いたり新しい発見をさせて頂き視聴のきっかけでお山や修行、修験道に興味を持って貰えたらと思います。動画完成が今から楽しみです。結願にはいつもお世話になっているアットホームで快く迎えてくださる吉祥草寺さんで御礼法要を厳修頂き直会をして解散と相成りました。
山修行を通じて色々な方のお世話によって今の生活をさせて頂いてる。山修行は凄い事、偉いこと、貴い事と慢心思いがちですが、精進潔斎からの奥さんや家族の手助け、仕事を休んで参加させてくれている会社や同僚の配慮、温かいお風呂、美味しい食事を用意してくださる旅館の方々のお接待。お山に入ると危ない所を補強したりケガをしないよう手入れくださる山先達や嶺霧露会の方々の手助け、各寺院で講中安全を祈願くださる僧侶の方々、当講社の名前を見れば声をかけて下さる他講社や先達の方々、それと同時に色々と声をかけてくださるということはそれまでに他講社の方々と親交を深めて頂いてきた当講社の大先達たちのご尽力。様々な【合縁奇縁】が整い神仏のご加護を頂いて今回の講峯詣りが無事に満行できたのだなと改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
参加者:鐵砲水、和光、昭弘、基法、佳淳、
達源(新客)、英快(新客)、岡部(新客)計8名
🎥Directed by Satoru Okabe
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