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令和6年9月6日〜9月10日大峰奥駈修行その3



9月9日(月)

2時45分起床〜3時朝食〜4時勤行〜出立

さて本日で長距離の峯中修行は最後となります。標高1895メートルの弥山頂上は午前4時にもかかわらずとても過ごしやすい気温でした。

弥山小屋の隣の広場では一般登山者のテントが4パーティー据え付けられていて寝静まって居られます。

昨日はBBQなどをやっておられて精進潔斎中の我々はノックアウトされました😐️

小声の勤行で弁財天さんにお別れを告げて出立します。本日は八経ヶ岳〜いくつかの靡を越えて〜釈迦ヶ岳〜深仙で護摩供〜前鬼小中坊で宿泊の流れになります。

この日早々に自分はやらかしてしまったことがあります。右手に金剛杖左手に法螺貝を持って歩いていたのですが左右持ち替えたくなって左手に金剛杖を移したときに掴みそこねてしまい前を歩く女性行者さんの頭の正中にコーーン(汗)やっちまいました。必死に謝罪をして出立早々気分サゲサゲ⤵でのスタートに女性行者さんからは明らかにイライラオーラが出てました。八経ヶ岳頂上までの1時間の道のりを女性行者さんの後頭部を見ながらゴメンナサイ歩行をして八経ヶ岳頂上に到着しました。

標高1915メートルの近畿最高峰八経ヶ岳。自分は初めての登頂です。午前5時なのでまだ真っ暗で空は満面の星空でした。一同でお勤めをするのですが自分は何か違和感を感じていました。空に月は見当たりません。なんと表現したらいいのか天空から目には見えないうっすらとした紫色のエネルギーの波動が降り注いでいるような、あたりを紫色のオーロラが取り囲んでいるような。そんな感じの異空間的磁場を感じました。

大宿哲の寛先生生曰く「長いこと奥駈修行をしていますが八経ヶ岳頂上はいつも極寒か荒天でお勤めをするのもきつかった。このような穏やかな状況は初めての経験です」とおっしゃられていました。このとき(ああ、ここのメンバーはみんな無事に満行するな)とメッセージを直感しました。

そんな八経ヶ岳を後にして釈迦ヶ岳まで8時間wwwwww

小休憩を挟みながらひたすら歩きます。途中、神秘的な御来光や色々な絶景を見ることが出来ました。さすがは世界遺産🌍️大海原ならぬ大山原🌋日本人に生まれて良かったぁ〜〜🙏

釈迦ヶ岳に至るまで菊の窟など魔所と呼ばれる所が何か所かあり入った者は出ることが出来ないらしいです。遥拝だけして先に進みます。

標高1800メートル峰中第三の高峰釈迦ヶ岳。途中、杖捨て、馬の背、念仏橋の難所を経て急坂をよじ登らなくてはいけません。どの難所でも奉行の方々が先に見に行ってくださり我々の動線を確保してくださいました。本当にありがとうございました。

最後は大宿哲寛先生の号令の元、気合いを振り絞り山念仏をお唱えさせていただきながら登頂し、頂上に到着したときには皆で拍手喝采して歓喜しました(バンザイ)頂上の釈迦如来は優しく我々を出迎えてくださり、大宿から頂上に釈迦如来像が建てられた逸話等を伺い、この釈迦如来像はどれだけの行者を出迎えてまた見送っていったのだろうと考えるとタイムループして過去の行者の方々が一生懸命にお勤めをして研鑽されている姿を想像でき熱く込み上げる物がありました。我々も今日その歴史の中に紡がれていったのだと、、、、

釈迦ヶ岳の頂上は炎天下で日陰が全くなく記念撮影を済ますと休憩なしで深仙まで下ることになりました。

深仙宿は1時間ほど下った峰中の中台にある本山派の要所。代々深仙灌頂を伝える修験伝統の道場です。ここで採燈護摩を厳修します。

道中、熊笹が生い茂り足元の視界がままならない状態での下山が続き滑落者も出ましたが幸い怪我もなく行に戻られました。

深仙まで下りた所で自分は爪先に痛みを感じていました。護摩行に入るまで時間があったので、気になって靴下を脱いでみると両足の親指が赤くパンパンに膨れ上がり爪は完全に死んでしまってました。長い下りの連続で負担が掛かり悲鳴をあげたのでしょう。

靴下の上から持参したテーピングをグルグル巻きにして鎮痛剤を服用して対処することにしました。

今回、奥駈修行に参加するにあたって自分が気になっていたのは膝でした。最近、プライベートで山に入った際に膝に痛みを覚えることが多くなってきていたので一抹の不安を抱えていました。

奥駈1か月前くらいからランニングやバーベルスクワット、時間を見つけては摂津峡公園の山々を1日中歩き回ったりして足腰を鍛えて奥駈対策をしていましたし、単純に軟骨成分を増やしたいと考えてコラーゲンやコンドロイチンの錠剤を毎日規定量の2倍飲んでました。功を奏したのかどうかはわかりませんが、今回膝は全く痛まずに大活躍してくれて本当に助かりました。

膝の痛みに比べたら爪先の痛みなどどうということはない。楽観的に考えて痛みを無視することに努めた所、鎮痛剤も良く効いてきて痛みが薄れてきたので安堵しました。なんとか前鬼まで下りれる自信を得ました。

深仙のこの地点で時間はなんと予定より2時間オシ(汗)最後の峯中修行は闇夜での行が必至です。

太古の辻まで下った所でヘッドライトを装着して全員夜モードに切り替えひたすら前鬼に向かって下ります。

太古の辻から前鬼の小中坊まではなんとまだ3時間かかります。途中、2個所ほどロープをつたって岩場を降りなければならない難所もあり前途多難な道のりです。

出立時の闇夜と違い全員疲労困憊ですし脚も痛いし体もあちこち痛む。また違う心身の状態で闇夜と対峙せねばならずどうしても進行ペースは落ちますし、そのうえ難所になるとやはり女性や体力に自信のない人は時間が掛かります。その度事に隊列の進行が止まり待ちの時間の方が長くなってきました。身体はキツイし早く宿に着きたい。苛立ちと焦燥感ばかりが募ります。なかには愚痴をこぼし始める一般参加者も出始めました。やはりそのような人達はいざ自分の番となったときに先達の指示する行動が取れずに厳しい激を食らってました。自分はと云いますと身体は痛くてキツかったですが心中は穏やかでそういった人達をただ俯瞰して見ていました。

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、なんか平気やったんです。困難な状況であればあるほど良い行をさせてもらってるなぁ〜とただ感謝。昨日から始めている寿司三昧ならぬ法螺三昧も今日も続けてきたしなんか一皮剝けたかな〜〜〜一種の修行ハイ♫

ハイ♫ハイ♫ハイ♫と何でも修行と考えます(^^)ありがたや〜ありがたや〜🙏


皆なかなか先の見えてこない暗い中をひたすら歩き通して頑張りました!!

小中坊に到着したときには3時間以上オシて21時をゆうにまわってました。今から入浴して食事を頂くと何時になるんやろ??明日は2時半起床やのにwwwwww3時から前鬼の裏行場の予定が入っていました。


前鬼山の前鬼とは役行者の脇に仕える前鬼後鬼からきています。宗祖役行者は前鬼後鬼に「汝ら後世大峰修行者の為、この地に止まりて子孫の計を建て、峰中を守護し修行を誘導せよ」と言い残して箕面の天上ケ岳で示寂されたそうです。


それがですね〜。前鬼さんだか後鬼さんだか大峯権現さんだかは判りませんが、我々が全員宿坊に入るなり大雨になったんです☂イメージで言うとオーケストラの指揮者がタクトを振り下ろすと大音響が始まる感じ、タクトを振り下ろすと大雨になりました。

(え、、山のカミさんどっかで隠れてウチらのこと見とったん!?そんなに守ってやってるぞ感いっぱい出して来られたら、こっちが照れてまうやん❤も〜〜積極的なんだからぁ〜)

そのようなわけで前鬼の裏行場は中止になりました。

因みに前鬼の裏行場とは資料によると垢離取場、手水滝、大黒岩屋、行者阿伽井、大師阿伽井、三宝荒神滝、弁天森、弁天滝、日光月光滝、梵天滝、不動滝、両界岩屋、屏風の横駈、天の二十八宿、千手滝、鷲岩屋、馬頭滝、馬頭岩屋、白山権現を巡拝修行するといったものらしいです。なので予定ではたっぷりと3時間枠で入ってました。興味津々なのでいつか満行したいです。


9月10日(火)

いよいよ最終日となりました。

朝から大雨☂です。裏行場がなくなったので朝食後に貸切バスに乗って吉野喜蔵院に戻り満行護摩を厳修することに。雨が酷いので皆カッパを着て行列を組まないといけないね〜〜〜なんて話が出ていました。

もう、お判りですよね〜♫そうなんです。吉野に近づくに連れて雨がやんできちゃうんです。吉野バス停到着時はピーカン照りでした。も〜〜〜積極的なんだからぁ〜(^^)皆さん愛されてますなぁ〜🙏

喜蔵院での満行護摩も無事に厳修されみんな安堵とやりきった感いっぱいの笑顔で、各々祝福し合いました。


昔の先達は「行者は山に入らなくては駄目だよ」と、よく仰っていたと聞きます。なるほど、今回の行を通して山は無形ではあるけれども確実に何かを与えてくれている。それは霊力と呼ばれるものかもしれない。修験道とは験力を修める道だから霊力とは切っても切り離せないものもあるでしょう。でも、もっと身近なもの。社会生活で必要なおおらかさであるとか辛抱強さ、人を思いやる心、順応性、協調性。

全てを培うためのエッセンスを与えてくれる、そういった行場が山ではないのかなと思いました。

山で研鑽して里に降りて菩薩の道に励み、俗世の埃にまみれたらまた山に戻ってエッセンスを頂く。そして里に降りてまた頑張る。

山の行より里の行とよく言いますが山は里で菩薩道を成道する為のエネルギースポットなのではないか。

先達の方々から見たら当たり前の事なのかもしれませんが、新人の自分に取っては信仰心に根付いた山との付き合い方というのは目新しく、また魅力溢れるパワースポットであるということを再認識させて頂いた次第であります。講元から「奥駈修行に勤しんでください。世界観が変わってきますから」との言葉を頂戴しましたが、なるほどなと。自分は今、入り口に立ちました。これからがスタートです。此の行に参加して本当に良かったです(^^)

南無大峰萬山護法善神〜〜〜

南無山上大権現〜〜〜

南無神変大菩薩〜〜〜

お世話になりました。

合掌


参加者、石川、1名




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