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令和6年6月1~2日 講峯詣 1日目

大阪本山講の講峯詣(大峯山修行)に10名で入らせて頂きました。例年5月21日の年に一度の安養寺様の採燈護摩供が終わると、講峯詣の準備に入ります。予算や携行品のチェックと共に宿泊させて頂く宿屋さんへの予約や参詣する各寺院の連絡をさせて頂きながら、修行1週間前になると当講では「精進潔斎」を参加者に行って貰います。細かくはここでは記しませんが各々辛いこと、困難もあることながらもお山に入らせて頂く心身の整えをして頂きます。物理的にどうだということではなく、自分はこの修行をどのように挑むのかそしてそれに対しての心構えはどうなのか?を自身に静かに問うて貰う期間でもあります。

参加者の皆さんが潔斎中に私が一番気にかかることは参加者の体調とお天気です。昨年は修行1日前に記録的豪雨が関西を襲い、洞川までの道も封鎖され、私と副講元2人で中止の英断をしました。参加者で涙を飲まれた方も居られますし、宿屋さんにも無理な中止でご面倒をおかけした事を想い返しながら今年は何とかして無事に参らせて頂きたいと願いました。そうすると1週間前から🌀台風が発生し日本列島に近づいてくるではありませんか?まさに「どやさ!どやさ」の心境でしたが今年は願が通じたのか2日共に最高のお天気でお山に入らせて頂きました。新客さん1人、初の大峯山講員さんが1人、また日帰りで参加してくれた講員さんもおられ、皆の熱意と情熱はヒシヒシと伝わりながら女人結界門へ。当講の女性行者さんはいつも仲良くさせて貰ってます法友の女性行者さんと共に稲村岳へ修行となりました。本当に有り難い事です。

入峯に入り各遥拝所で勤行させて頂きながら表行場のひとつ「鐘掛岩」へ。ちょうど峯霧露会の会長とばったり出会い、山先達をお願いして無事に新客さん2人は満行。次は西の覗へ赴きますが、皆さん大阪本山講がモデルになってるYouTubeをたくさん閲覧され来られてるので視覚的にはどんなことをするかは理解されてますが体験となると全然違いますし、「あ〜動画の所へ来させて貰ったんだ」と感動でフワフワされる新客さんも居られました。昨年から講員の中で讒言と言うか事実無根の噂が立っていて「講元は普段仏のような顔をしているが西の覗に来ると鬼のように変わる」と言われています。誰が前鬼さんやねん?!褒め言葉か?と身に覚えにない噂に笑いながら答えていますが、実際はどうなんだろう?と自問自答もしてみました。

そんな怖い噂が立っている所に先ほどの峯霧露会の会長が登場されたのでお願いすることにしました。恐らく新客さんはホッと胸を撫で下ろされたと思いますが、私は写真撮影係として隣から見させて頂きましたが、間違いなく峯霧露会の山先達さんの行の方が怖いと思います。(笑)

もうそろそろ宿坊が見えてくる頃、講員さんが蔵王権現さんを感得したように青い顔をされて貧血のような状態と共に足が吊り出す現象が現れフラフラの状態。かく言う私も宥めながら左ふくらはぎ、左太ももが🐍コブラ、否こむら返りが起きていてその辛さはよく分かります。そこでドラえもんのようにポケットから出したものは「リーポービーターンデェーエックス〜〜♫」(ドラえもんの声で発声してください)という魔法の錠剤。今までお山にて薬に頼ることはなかった私ですが、ちょうどYouTubeの撮影を行った2年前(令和4年)の撮影時に上手くカットして貰いましたが初のひどいこむら返りが起きて、両足の太もも、ふくらはぎが吊って一歩出すごとに激痛が走る経験をしてから、色々と調べて芍薬甘草湯とリポビタンDX錠剤に辿り着きました。それを服用して貰いまずはお昼を頂く桜本坊さんの宿坊へ到着。皆で揃って食事を頂きますが精進潔斎後の初の白米ということで本当に涙が出る程有り難く頂きました。今はグローバル化でフィンテックなども進み便利にキャッシュレスで物品を買うことが出来るようになりましたが、我々が生かされている食事の材料は農家やお百姓さんが丹精込めて作って貰えるから食する事が出来、また風雨に当たることなく温かい食事を提供してもらえるのも宿坊や各関係者さんのお陰ですし、何かが欠ければ私達の修行も成り立たない状態となります。そういう意味では当たり前にあるものをいったん無くす事で「当たり前はないんだ」という事に気づかせてくれる精進潔斎は大変意味のあるものと私は位置付けています。しっかりご飯を頂いたあとは山頂の大峯山寺へ。参加者全員は基より今日来れなかった講員さんや家族、知人の代参をしっかり山上大権現様に祈願して参りました。今年は世界遺産20周年ということもあり、秘仏の蔵王権現さんを拝ませて頂きました。 その後各宿坊さんに御礼をお伝えして無事に17:30に下山してきました。私が講元になるまでは山修行の際は鈴懸(山伏の法衣)を着用せず白衣と山袴という軽装で入らせて頂いてましたが、数年前からちゃんと鈴懸を着用して登拝するようにしました。だって鈴懸とは入峯修行の法衣なりと採燈護摩供の山伏問答でもはっきりと行者さんが言われてます。確かに1枚羽織を纏う訳ですから暑いんですけどね。でもそれも修行と思います。

そんなこんなで、清浄大橋の女人結界門まで降りてくるとなんと聖護院の執事長がまるで登校時の校門前で風紀の先生のように立っておられるではないですか?! え〜〜?!驚きながら下山するも全員鈴懸を着用して聖護院の山伏として威儀を正した品行方正な本山講はお咎めもなく素敵な笑顔で出迎えて頂きました。ホッと胸を撫で下ろしここで六根清浄出来たように思いました。定宿のにしぎさんに迎えに来て頂き、温かいお風呂と直会をご馳走になり講員全員で歓談後は恒例の罰ゲーム?の西浦清六本舗さんへ。決して西浦清六さんが悪いのではなくうちの講員の中に天使と悪魔の囁きをする者がおり、当講者の最若年の16歳の自称イケメン山伏君に高価な法具を買って貰うようまるで西浦清六本舗さんのインフルエンサーのように勧めて「推し売り」してくる◯講元がおります。毎年その洗礼をワタシが受けるのですが今年はとっても鳴りのいい錫杖とアライグマの尻尾が可愛い腰袋を買わせて頂きました。(西浦さんいつも無理言ってすいません)海老で鯛を釣るとはいいますが法具で講員を釣るのは如何なものか?といいながらもテレビのごちバトルみたいにみんなで盛り上がりながら私の財布からお札が羽を生やして飛んでいくのでした。


1日目はこんな感じで幕を閉じました。


2日目はまた新しいブログで。

(今から地下足袋と衣体を洗う郷の行に入ります)


参加者:和光、美観、昭弘、英快、智弘、猷繁、幸信、基法、佳淳、新客:石川 計10名

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